インフルエンザの治療薬リレンザについて説明する女性

リレンザという薬を知っていますか?インフルエンザに対する治療薬として販売されていますが、吸入タイプであることから、インフルエンザウイルスが増殖しやすい気道の粘膜部分に成分が行き渡るので即効性が高いです。

リレンザは正しく吸うことで絶大な効果を発揮します

リレンザの画像  リレンザは、インフルエンザに感染してから48時間以内に正しく吸うことで、絶大な効果を発揮します。インフルエンザウイルスは、気道などの粘膜から侵入し増殖していきます。リレンザは、その場所に直接届くよう吸入されます。リレンザの効果はインフルエンザウィルスの増殖を妨げるというものです。リレンザはすぐに気道粘膜に届けられるので、たいへん即効性があり、十分な効果が発揮できるというわけです。ウイルスが喉などの粘膜から侵入するなら、薬も同じ方法で、ということです。飲み薬として服用すると、薬剤の成分は全身へ行き渡ります。必要のない部分へも影響を及ぼすため、効率的とは言えません。不必要な副作用を起こす可能性も高まります。
 吸入という方法は、喘息などの呼吸器系疾患の治療にも用いられています。患部に直接というのは、理にかなった方法です。飲み薬より、吸入薬であるリレンザのほうが、効き目が高いのは、こうした理由からです。
 同じように、インフルエンザウィルスの増殖を妨げる薬としては、他に有名な飲み薬もあります。飲み薬はこれまで、圧倒的に数多く使われてきましたが、特に十代の患者に重篤な副作用がいくつも報告されています。また、腎臓病患者には使えないという難点もありました。リレンザは海外では腎臓病患者にも使えるとされていますので、国内でも腎臓病患者に投与できると考えられます。また、解熱までの時間は、インフルエンザのA型でもB型でも短時間で済んでいることが明らかとなっています。B型インフルエンザでは17時間も短くなっています。仕事を抱える成人にとっては貴重な時間です。一刻も早く治りたいと願っている患者は多く、この薬の吸入によってより早く仕事に復帰できるようになっています。
 この薬は、インフルエンザの予防薬としても使えます。インフルエンザの感染者と同居している場合、普通は9%程度は感染してしまいますが、この薬を感染予防のために服用すると、それが1%ほどになります。劇的な効果と言えるでしょう。予防薬としての使用ですので、保険は効きませんが、地方自治体によっては、インフルエンザ感染者と同居していれば、医師の判断で使用が可能になることもあります。通常は、感染者と同居している65歳以上の高齢者や、呼吸器系に疾患がある患者などに限られます。耐性菌の出現を阻止する観点からは、予防薬としての使用は好ましくないとされますが、効き目が絶大であるのは事実です。
 

リレンザは早期使用がおすすめです

 リレンザは、インフルエンザに感染してから48時間以内に使用するのが鉄則となっています。インフルエンザウィルスは、感染から48時間後には全身に拡散します。その後は増殖するのをやめます。リレンザは、増殖するのを防ぐ薬ですから、ウィルスが増殖するのをやめた後に使用しても効果はありません。ウィルスを死滅させる働きはなく、ウィルスを死滅させるのは、免疫細胞の役割です。もし、感染直後にリレンザを使用できれば、ウィルスは増殖できず、侵入した箇所でごく少数のままとどまっているしかなくなります。そのうち免疫細胞がやって来て、退治されます。ウィルスが侵入し、増殖を開始すると、免疫システムを活性化させるために高熱が出ます。活性化された免疫細胞は、ウィルスを退治して回りますが、ウィルスが体の一部に少数のままとどまっているだけなら、退治するのは短時間で済み、活性化している必要もなくなるので、すぐ熱が下がります。リレンザを早期使用できると、解熱までの時間が短縮されるのは、こうした理由からです。
 できれば、感染直後にリレンザを使用したいところですが、現時点では、インフルエンザ感染の有無がわかるまでには、12時間から24時間、あるいはもっと時間がかかります。感染直後だと、ウィルスの数が少ないため、現在普及している検査キットでは検出できないからです。その検出できないほど少数のうちに吸入できれば効果を最大限に発揮できるので、非常に惜しいところです。
 インフルエンザウィルスの増殖を防げるという働きを持つ薬であるため、予防薬としても使用できます。この使用方法でこそ、効果が最も発揮できるとも言えます。侵入したインフルエンザウィルスは、その直後からまったく増えることができません。増えられないでいるうち、免疫細胞に発見され、すぐ退治されます。したがって高熱も出ず、インフルエンザの症状がまったく出ないため、感染が防げるということになります。家族が感染した場合、他の家族が感染する確率は9%ほどですが、この薬を予防薬として使用した場合は感染率が1%程度になります。ただ、予防薬としての使用は制限されています。同居する家族が感染している65歳以上の高齢者か、呼吸器系に疾患がある患者などに限られ、それ以外の場合は、希望しても処方されません。耐性のあるウィルスが現れるのを防ぐためです。処方される場合も、予防としての使用になりますので、全額自己負担となります。

リレンザは児童への使用にも役立ちます

リレンザは児童にも使用できる リレンザは5歳以上の児童に使用可能です。飲み薬よりも効き目があるため、粉末をうまく吸い込める児童なら、この薬の使用が望ましいでしょう。飲み方の指導は医療機関でおこなわれます。うまく吸引できない場合は、飲み薬に代えられます。児童は抵抗力が弱いので、できれば即効性のあるリレンザを使わせたいところです。解熱までの時間も、飲み薬より短くできます。インフルエンザのA型でもB型でもそうですが、とりわけB型の場合は17時間も短縮できます。それだけ悪化させる危険性も少なくできるわけですから、どうしても吸引できない場合を除いては、リレンザを使用させたいところです。
 インフルエンザウィルスは、主にのどの粘膜から侵入し、猛スピードで増殖を繰り返しながら、48時間後には全身に拡散します。しかし、感染のごく初期に、のどの粘膜に直接粉末を吹き付け、インフルエンザウィルスが侵入したように、薬の成分を入り込ませてウィルスの増殖を妨げることができたら、ウィルスはそのままの数で狭い範囲にとどまるしかなくなります。体内の免疫細胞が、ウィルスを発見して撃滅するわけですが、数が少なく、体のほんの一部にしかいなければ、死滅させるのは簡単です。ウィルスがいなくなれば、免疫細胞は高熱を出して活性を上げておく必要がなくなり、熱はすぐ下がるというわけです。ウィルスが増殖して膨大な数になり、全身に拡散したら、免疫細胞がそれをすべて死滅させるまでには相当な時間がかかります。全身を巡って撃滅して回らなくてはならないため、免疫細胞の負担はかなりなものになり、結果として体力が失われます。免疫細胞の活性を上げておく必要があるため、体温を高く保ち続けることになり、熱もなかなか下がりません。そうした中で、合併症も起こりやすくなります。体力のない児童は特にそうです。
 児童がインフルエンザに感染したら、一刻でも早くこの薬を吸入させ、ウィルスの増殖をストップさせて、悪化させることなく、早めに治癒させてあげたいものです。
 飲み薬は、十代への使用で致命的な副作用の報告がいくつもなされていて、十代になるとまず使用できなくなります。十代の児童にはリレンザが使われます。飲み薬には耐性ウィルスが現れ、インフルエンザの型によっては効かないこともあります。リレンザは、国内では耐性ウィルスの出現の報告はなされていないので、どのインフルエンザにも効果があると考えてよいでしょう。

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