インフルエンザの治療薬リレンザについて説明する女性

リレンザという薬を知っていますか?インフルエンザに対する治療薬として販売されていますが、吸入タイプであることから、インフルエンザウイルスが増殖しやすい気道の粘膜部分に成分が行き渡るので即効性が高いです。

リレンザの治癒報告書では耐性ウィルスの出現は未確認

 インフルエンザの治療薬は、リレンザの他にもいろいろありますが、飲み薬には耐性ウィルスの報告がなされています。インフルエンザの型によっては、飲み薬が効かないこともあります。しかしリレンザの治癒報告書で、耐性ウィルスが伝えられたことはなく、現時点では国内においてはリレンザが効かないインフルエンザはないと考えられます。
 ウィルスは非常に簡単な構造をしているため、変異が起こりやすく、薬に耐性を持つウィルスの出現が常に危惧されています。インフルエンザウィルスの場合、遺伝子自体が変異するのは10年から40年に一度程度ですが、ウィルスの膜についている構造物はしょっちゅう変異しています。膜の構造物が違うと、型が違うとされ、型が違えば免疫は効かず、ひと冬に再びインフルエンザに感染したりします。同一の型なら免疫が効くので、しばらくは感染しません。飲み薬にはすでに耐性のある型が出現してしまいました。リレンザはまだですが、常に出現が警戒されています。
 リレンザは、インフルエンザウィルスの増殖を阻止できる薬であるため、最も効果が発揮できるのは、予防薬として使用した場合とも言えます。あらかじめ使用しておけば、ウィルスが侵入しても、初めからまったく増殖ができないため、ウィルスはぽつんとその場にとどまるしかなくなり、やがては免疫細胞に見つかって撃滅されます。免疫システムがフル稼働する必要はないため、高熱が出ることはありません。そのような段階ではインフルエンザの症状が現れず、結局、ウィルスがそこそこの数、ばらばらに侵入しようと、感染はしなかったということになります。
 インフルエンザの流行のピークは、例年、1月の後半から2月の頭にかけてです。受験シーズンと重なり、受験生や受験産業で働く人々にとっては、非常に頭の痛いことです。こんなにいい予防薬があるなら、ぜひとも使いたいと望む人は多いでしょう。しかし、予防薬としての使用は制限されています。薬が多く使われることで、耐性ウィルス出現の可能性が高まるからです。予防として使用できるのは、同居する家族がインフルエンザに感染した65歳以上の高齢者か、呼吸器系に疾患のある患者などに限られます。ごく一部の都道府県では、医師の判断で処方できるようになっていますが、それ以外のところでは、希望しても処方はされません。また、使用できる場合でも、予防としての利用であるため、全額自己負担になります。

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